覚えていますか? 「8時だョ!全員集合 山田満郎セットデザイン展」に行ってきた

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…と言ってしまうと少し語弊があるのだが。

厳密に言うと、東放学園専門学校のテレビ美術科2年生による卒業制作展があり、その一角で同時開催されていたのが、タイトルにある「8時だョ!全員集合 山田満郎セットデザイン展」である。

2017年2月21日(火)から24日(金)まで調布市文化会館たづくりにて開かれ、オイラは最終日の昼頃に足を運んだ。新聞やインターネットで話題になったこともあり、小さなスペースは多くの方々で賑わった。

展示は卒業制作展から始まる。実際の映画や音楽PVなどのセット(模型)や衣装などの再現、オリジナルのポスターや表紙デザインなどが展示されていた。学生ゆえの荒削りはあれど、頑張って作ったねと褒めたいものが多かった。

その奥に進むと標題の展示だ。山田満郎(みつろう)さんは長年に渡りTBSの美術スタッフとして活躍し、『全員集合』では全803回のうち、初回から765回のほぼ全ての美術デザインに携わった。

360度回転する家、1本の柱だけで2階部分を支える建築現場、空飛ぶパトカーなど、想像を絶するアイデアを見事に実現させてきた。そのための図面は、1回のコントで5枚以上に及ぶことも多々あった。

今回の展示で直筆のデザイン画と実際のセット写真を対比させるものもあったが、どれも「お見事」と言ってしまうほどの精密さ。パトカーが飛ぶコントでは事前に数百回もの実験を重ね、安全性にも配慮されていたそうだ。

オイラが6歳の時に『全員集合』が終了したため、リアルタイムの記憶として残っているものが少なく、後になって知ることの方が多いのだが、今これを超える番組は出ないだろうと思っている。

制作にかける日数や内容を考えると相当なストレスもあっただろう。それこそ番組に全身全霊をかける日々だったに違いない。ただ、そこから残った記録や記憶は宝のように光輝いていた。

展示された写真やスライドには荒井注さんの姿があった。オイラが生まれた頃には荒井さんはザ・ドリフターズを脱退しており、物心が付いた時には既に志村けんさんがエース級の活躍をしていた。

今回訪れた方の中には、オイラよりも遥かに若い世代も見られた。ひょっとしたら荒井さんをご存知無い世代かも知れない。そういった世代からすると、ザ・ドリフターズの歴史も垣間見る展示になったのだろう。

山田さんは2016年6月にこの世を去った。展示を見ながら、山田さんや荒井さん、いかりや長介さん、オープニングの振り付けを担当した藤村俊二さんを偲び、感慨深くなる時もあった。

ひと通り鑑賞した後、スタッフの方(ご家族の方かも)と話をすることが出来た。山田さんの定年の際に「ヒゲダンス」の2等身ぬいぐるみが贈呈されたこと、煤けて展示が叶わなかったものがあったことなどのお話があった。

「ヒゲダンス」のぬいぐるみは実際に展示されていた。写真NGだったのが少々悔やまれるところではあったが。

その後、再び卒業制作展へと引き返す。山田さんはTBSを定年退職後はフリーで活躍し、東放学園専門学校テレビ美術科の講師も務めていた。そもそもこの学校はTBSが母体となったテレビスタッフの専門学校のようで。

その視点を加えて再び作品を見ると、将来性というものを感じさせる作品も幾つかあったように思う。単なる模倣にとどまらず、実際あるべき大きさや形で作り上げて欲しいものがあったなぁ。

山田さんもそう望んでいると思いたい。

チケットや物販なども無いため、オイラの手元に形として残るものは無いのだが、記憶として残り続けるものが多かった展示と言えるだろう。やっぱり見に行って良かったな。

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