選挙における「電話戦」に時代遅れ感を見た

選挙における「電話戦」に時代遅れ感を見た

「●●候補、一生懸命頑張っておりますので宜しくお願いいたします」

大規模な選挙ともなると「コールセンター」よろしくやっているかも分からないけれど、こじんまりとした選挙だったら数台の電話機を駆使して、ボランディアが投票依頼の電話をかけるケースが多い。

これは「電話戦」と呼ばれており、公職選挙法でも認められている。この度、オイラも何故か、これをやることになりましてね…。

これね、正直、大嫌いなのよ。オイラが自宅に居たとして、かかろうものなら「その候補者に絶対投票してたまるか」ってカチキレるほどだ。状況が酷ければ「あの候補者はアカン」と言って回る可能性も。

しかし、今回お手伝いした先では電話を重要視しており…罪悪感に苛まれながら渋々やることに。

「忙しいのに電話するな」とか「しつこいぞ」などと罵倒されもした。

「選挙だからって、他の候補者からも同じような電話がかかってきて困るのよね」と苦言を呈されたこともあった。

御意にござります!!

オイラの本音もそうだった。いきなりの罵倒や苦言は精神的に堪えるが、かかってきた側の身を考えると、ホントそうだよなぁって罪悪感に満ちてくる。

しかしだね、本当に「電話戦」って有効手段なの? 現代の日本に即していないのでは!? そう思える理由が2つある。

1つ目は「固定電話の加入者現象」である。総務省の発表によると、平成23(2011)年度末時点での固定電話加入総数は5,691万件ほどで、年々減少傾向にあるとのこと。

更に年度が経ち、平成30(2018)年度の総務省『情報通信白書』によると、携帯電話が加入契約者数を伸ばす一方で、固定電話は減少の一途となり、加入総数は平成29(2017)年時点で5,495万件となっている。

尚、その内訳を見ると、固定電話と同じ市外局番を割り当てられた「IP電話」が全体の6割以上を占め、東西のNTTに加入した固定電話よりも遥かに多くなっているようだ。

このご時世「携帯電話で十分だ」とお考えの方も多い。FAXが必要とか無い限り、その考え方も間違いでは無いのかもしれない。そんな状況での「電話戦」って、やりにくいとしか言い様が無い。

電話戦は殆どの場合「固定電話」を対象とし、「携帯電話」にかけるってことは少ないだろうなぁ。着信番号がバッチリ表示される携帯電話において「知らない番号は相手にしない」とお考えの方も実際にある。

184を頭につけてまで電話をかけることも無いだろう。

2つ目は「安易に電話番号や所在を明かさない姿勢」である。電話帳に電話番号を載せないという方は多いだろうし、NTTが発行する個人版の電話帳(ハローページ)も余り好まれない風潮だ。

「振り込め詐欺」に代表される特殊詐欺対策で、簡単に電話がつながらないケースも増えてきた。有料でも着信番号を表示する契約を結んだり、特殊詐欺対策がなされた電話機を導入したり、防衛策も様々だ。

「この電話は録音されています」「只今、留守にしています。また、おかけ直しください」とアナウンスが流れるケースもあり、そうなると、電話戦も見事な空振りとなる。

2019年2月に、いわゆる「アポ電強盗」による殺人事件が発生した。非常に痛ましい事件で、電話に対する恐怖心を覚えた方は多いだろう。

一向に減らない「電話を介した事件」を受けて、近年は特に高齢者に対し、警察から「電話には出ない(留守録を活用し、相手が分かる方であれば折返し連絡をする)」ことを求める案内が出ているようだ。

電話に出ないことは「命を守る行動」でもあると言える。すぐに電話に出る方が悪いとは思わないし、気を利かせていただいているとも思うが、電話に出ないことを怒る資格は誰にも無いのかも知れない。

不意打ち気味に電話がかかって「何で番号知っているんだ?」と怒る方の気持ちも分かるし、「他の候補からも散々かかっているよ」と呆れる方の心境も分かる。

それを幾つも目の当たりにすれば、如何に非効率的な手法か?とも思う。

同じ選挙に立候補した他陣営の中には「電話戦を一切やりません」と宣言されたところもあった。個人的にそれは正解だと思う。

そこから票は見込めない(それどころか、かえって減るかも?)って心理もあったのかも知れないね。「(所構わずかけまくる)電話戦は暴力」という意見には大いに賛同する。

いくら法的に認められていても、時代にそぐわない戦術としか思えない電話戦。じゃぁ、SNSで何とかなるか?って言うと、それもまた疑問だな。「いいね」やスタンプで意思確認とか…無理あるな。

そういう訳で、今後は電話戦ナシでお願いしたい。電話で念押ししなくても、普段から有権者に認められるような活動をしていれば、投票で必ず応えてくれる筈だから。